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Channel: FASHION FEATURE(ファッション特集) | HOUYHNHNM(フイナム)
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LUNARGRAND COMPILE 〜ルナグランドにまつわる4つのこと〜

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2012年、〈コールハーン(COLE HAAN)〉が満を持して世に送り出した名作「ルナグランド(LUNARGRAND)」。革靴にスニーカーのソールを組み合わせるという、発想の転換から生まれた近未来的なルックスで瞬く間に人気は急上昇。そして広く知られることとなった今、「ルナグランド」のポテンシャルを再認識するべく、トレンド・スニーカー・デザイン・バイイングの目線から検証していきます。

Photo_Shimpo Kimura
Edit_Jun Nakada

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2012年、〈コールハーン(COLE HAAN)〉が満を持して世に送り出した名作「ルナグランド(LUNARGRAND)」。革靴にスニーカーのソールを組み合わせるという、発想の転換から生まれた近未来的なルックスで瞬く間に人気は急上昇。そして広く知られることとなった今、「ルナグランド」のポテンシャルを再認識するべく、トレンド・スニーカー・デザイン・バイイングの目線から検証していきます。

Photo_Shimpo Kimura
Edit_Jun Nakada

検証03_デザイン目線で見たルナグランド

証言者_谷尻誠/建築家、サポーズ デザインオフィス代表
広島と東京を拠点に世界中を飛び回る建築家。近々東京事務所を代官山に移転予定で内装を思案中。毎月トークイベント「THINK」を広島事務所で開催している。次回は7月25日(金)、ゲストは詩人の菅原敏さん。
www.suppose.jp

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革靴から逸脱してないのがいい。

-初めてルナグランドを知ったのはいつ頃ですか?

日本で発表されたタイミングだったので2,3年前かな。現在4足持っているんですけど、今思えば全部海外の〈コールハーン〉で買ってますね。最近もニューヨークでスタッフ用に何足か買って帰りましたよ。

-選んだ理由は何だったのでしょうか?

やっぱり"楽"だし、革靴なのに走りやすいっていうのが最高ですね、いつもギリギリに出掛けて急いで現地に向かうので(笑)。あと、昔からスニーカーっぽい革靴が好きで、それこそ20歳代の頃は〈シルバノ マッツァ(Silvano Mazza)〉にハマってずっと履いてました。なのでルナグランドは個人的にツボでしたね。

-デザイン面から見ていかがですか?

革靴っていう枠組みから逸脱してないのがいいですよね。革靴でありながら革靴を超えているというか、カジュアルとトラッドを横断できるルックスがいいなって。普通デザインを追求していくと革靴じゃなくなってしまう可能性が高くなりそうじゃないですか。それを絶妙なバランスで保っていると思います。

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どちらかではなく"中間"をデザインすること。

-建築家 谷尻誠として共通する部分はありますか?

建築デザインのなかで、仮にクラシックやモダンっていう定義があるとしたら、僕はその2つの要素を足して割った中間のものが理想型なんです。それが住宅だったら外と中の間とか。室内にいるけど外にいるような開放感を味わえる空間。作るものが何であれ、どうすればその"中間"を作り出すことが出来るかを、デザインする上でよく考えています。そういう意味では、ルナグランドは上手くトラッドとカジュアルの"中間"をとっているなと思います。

-デザインするときのインスピレーションはどこから?

人とのコミュニケーションから生まれることもあるし、歴史を遡ることもありますね。例えば駅を作る場合、国内外の色んな駅を調べてみるのもいいですが、すでに駅はこういうものっていうイメージが頭の中にありますよね。つまりそれをベースに作ったら、見た目こそ違いますけど単なる駅でしかないんですよ。だから、最初に駅が生まれたときはどうだったのかを遡っていくんです。なぜ"駅"と呼ばれるようになったのか、そもそもの駅の始まりが何だったのか、これまでとは少し違う駅像が見えて来るわけです。昔は商人が物を持ち寄って休憩して情報交換する場所が駅だったのに対して、今の駅は切符を買って改札を通って列車に乗るための場所になっている。そう考えると、駅をデザインする上で一番大事なのは、もっと人が集えて情報交換が出来る場所なんじゃないかなって考えてみたり。現代にいるからこそ駅の始まりに立ち返って、その要素を"今"に持ち込んでみる。そうしているうちに自分の中で新しいデザインが生まれるんです。

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建築もファッションも、デザインの根本は同じ。

-なんかファッションのモノづくりと似てますね。

根本的な考え方は同じだと思いますよ。たまたま僕は建築を専門にしてますけど、それが靴に変わったとしてもベースは変わらない気がします。あくまで憶測ですけど、ルナグランドが誕生したのも、〈コールハーン〉の歴史とこのソールに対するアッパーのデザインを多角的に考えた結果だと思うし、それがトラッドとカジュアルの"間"だったのかなって。完成度の高いコンセプチュアルなシューズだと思いますよ。

-普段はどういう合わせ方を?

仕事柄カジュアルなスタイルに合わせることが多いですね。でも発売当初に多かったカラーソールに比べて、最近はアッパーに同色のソールを使ったモデルもあるので、ビジネスやお祝いの場などスーツを着るシチュエーションでもフィットしそうですね。色々見てたら、また欲しくなっちゃいました(笑)

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STYLE SAMPLE

チノパンにTシャツという潔い王道コーディネートの谷尻さん。全体を夏らしい清潔感のあるカラーリングにまとめつつ、パンツはロールアップで素足を見せて軽やかに、エナメルの「ルナグランド プレーントゥ」を合わせて上品さもプラス。さり気なくウォレットチェーンや腕時計で味付けするあたりに大人の余裕を感じますね。

シューズ:LUNARGRAND PLANETOE ¥38,000+TAX
その他本人私物

コール ハーン ジャパン
電話:0120-56-0979
COLE HAAN Official Site
BACK NUMBER
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2012年、〈コールハーン(COLE HAAN)〉が満を持して世に送り出した名作「ルナグランド(LUNARGRAND)」。革靴にスニーカーのソールを組み合わせるという、発想の転換から生まれた近未来的なルックスで瞬く間に人気は急上昇。そして広く知られることとなった今、「ルナグランド」のポテンシャルを再認識するべく、トレンド・スニーカー・デザイン・バイイングの目線から検証していきます。

Photo_Shimpo Kimura
Edit_Jun Nakada

検証02_スニーカー目線で見たルナグランド

証言者_アクタガワタカトシ/THUNDERBIRD DESIGN 代表/クリエイティブディレクター/デザイナー
スニーカーとアウトドアをこよなく愛する文化人。デザインや歴史など、スニーカー全般に関して造詣が深く、アドバイザーとしてブランドから声がかかることもしばしば。スニーカーを選ぶ基準は脱着しやすいものがベース、なかでもハイブリットなものが好き。最近、ヴィンテージのテント収集にハマっている。

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革靴のブランドが作るから面白い。

-初めてルナグランドを見たときの印象は?

正直、アッパーがレザーでソールがスニーカータイプのシューズというのは、そこまで珍しさを感じませんでした、過去にも同じようなアプローチをしていたブランドがあったので。〈ビズビム(visvim)〉もそのひとつですね。すべてに当てはまるわけではありませんが、そもそもスニーカーブランドが革靴を作るのと革靴のブランドがスニーカーを作るのとでは、クオリティに開きがあると思っていて。そう考えると「ルナグランド」は後者、〈コールハーン〉っていう革靴としての伝統と歴史が母体としてあって、そこにスニーカーのテクノロジーが加わって生まれたもの。だから品質はもちろん上品さもちゃんと兼ね備えている画期的なシューズだと思います。

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-2012年の発売当初の盛り上がりをどう捉えていますか?

〈コールハーン〉という名前よりも「ルナグランド」というモデル名が先行していたんじゃないでしょうか。逆に言えば「ルナグランド」が世に出て来たことが、〈コールハーン〉を知るきっかけになった人も多かったのかも。発売から間もなくして〈fragment design〉とのコラボモデルもあったり、裏原世代の人たちを火付け役として一気に注目を集めたような気がします。

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-スニーカーとして見ると、平均的な相場よりも高いと思うのですが......

最初の方でも言いましたが、過去に「ルナグランド」のようなハイブリッドシューズのトライアルはあって、スニーカーソールでアッパーが革靴仕様のシューズをドレスブランドがリリースしていたんです。でもいわゆる見た目先行型で機能的にはそこまでだったというのが正直な感想。その点「ルナグランド」はソールの機能性や品質、デザイン性は由緒正しきスポーツブランドのシステムを使っています。複数の発泡EVAをインジェクション成型するという技術の応用で、軽くて履き心地が良く、クッショニングや安定性にも優れたソールだし、細いリブを幾重にも重ねた形状もカッコいい。色んな側面から見てもプライスのバランスはちゃんととれていると思いますよ。

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-チャッカやローファーなどバリエーションも増えてきましたが、さらに求める部分は何かありますか?

GORE-TEX®などの機能素材を使った防水仕様のモデルがあるといいですね、雨の日でも履けるビジネスシューズというか。さすがに〈L.L Bean〉のビーンブーツをスーツに合わせるわけにもいかないし、やっぱりアウトドア感が出てしまうので。発売当初に多かったカラーソールも、今はオールブラックとか落ち着いたカラーリングのモデルが増えているので、何にでも合わせやすそうだし、より気軽に手に取れるシューズになってきたんじゃないでしょうか。

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STYLE SAMPLE

清潔感のある白シャツにスウェットパンツを合わせたラフ&カジュアルスタイル。そんな肩肘張らないコーディネートの足元には、ちょっと燻したようなヴィンテージ感のあるビットが付いた「LUNARGRAND VENETIAN BIT」をセレクト。コードバンを思わせる艶革アッパーとのコントラストが実に美しい仕上がり。さり気なくも洗練された小物遣いがスタイル全体に余裕を感じさせます。

シューズ:LUNARGRAND VENETIAN BIT ¥38,000+TAX
その他本人私物

コール ハーン ジャパン
電話:0120-56-0979
COLE HAAN Official Site
BACK NUMBER
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2012年、〈コールハーン(COLE HAAN)〉が満を持して世に送り出した名作「ルナグランド(LUNARGRAND)」。革靴にスニーカーのソールを組み合わせるという、発想の転換から生まれた近未来的なルックスで瞬く間に人気は急上昇。そして広く知られることとなった今、「ルナグランド」のポテンシャルを再認識するべく、トレンド・スニーカー・デザイン・バイイングの目線から検証していきます。

Photo_Shimpo Kimura
Edit_Jun Nakada

検証01_トレンドから見たルナグランド

証言者_山田陵太/スタイリスト
メンズを中心に雑誌、カタログ等、幅広く活躍。昨年、〈FACETASM〉の初となるZINE『Sun High Falls』のスタイリングも手掛けている。また最近、旧友が住む鹿児島へ2度目のトリップを敢行。そのお土産話はフイナムブログにて。
www.yamadaryota.com
www.houyhnhnm.jp/blog/yamada

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普通ならありえない組み合わせ。それがいい。

-ルナグランドを初めて見たときの印象は?

「アッパーがトラディショナルでソールがハイテク、"普通じゃありえない組み合わせだな"というのが第一印象。でもひと昔前だったらハイテク、あるいはトラディショナル一辺倒っていうのが主流だったのに対して、今はその垣根が無くなって、異なるテイストをあえてミックスさせる感覚がひとつのトレンドとして浸透している気がします。全身ヴィンテージやトラッドなアイテムだけでコーディネートするのではなくて、例えば薄手のマウンテンパーカの上にテーラードジャケットを合わせるとか、スーツにスニーカーを合わせる方が気持ちいいみたいな。今はそれがスタンダードになってきていると思うんですね。そういう意味でルナグランドは、トレンドの流れと合っているというか、むしろそのトレンドを先取りしていた気がします」

ルナグランド=スタイリングされた靴。

-異素材ミックスのスタイルが主流の中でルナグランドをどう合わせたらいいのか?

「ウィングチップやタッセルなど、アッパーは他のブランドでもよく見かけるベーシックなデザインが多いですが、ソール自体にメジャー感があるので、コーディネートのハズしとして使うのがいいんじゃないでしょうか。それさえベースにあれば、別にスタイルを選ばないというか。すでにこのソール=ルナグランドっていう認知度があるので、必ずしもスラックスを穿いたりジャケットを着る必要はないと思うんです。言って見ればルナグランド自体がスタイリングされた靴だから、服は無理に洒落感を出すよりもシンプルでいい。革靴というよりはスニーカーに近い感覚でルナグランドを捉える方が取り入れやすいと思いますよ」

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アイコンから定番に。

-ルナグランドが発売してから約2年が経ちましたが......

「発売当初は、それこそ"今これいいよね"っていう、いわゆるファッションを生業とするトレンドに敏感な人たちが履いているイメージ。で、それを見た一般の人たちも"欲しい!"ってすごい食い付くんだけど、売っている場所が限られていたのか、あるいは数が少なかったのか、買えなかった人が結構いたんじゃないかなって思います。だから最初はファッション業界という狭い所で火が付いて、ひとつのアイコンみたいになっていたのが、今はモデルのバリエーションも増えている。でもそれが定番として浸透したということなのかなと思います。そう言う意味では、ルナグランドみたいなハイテクとローテクを組み合わせた靴って〈コールハーン〉が最初だったのかもしれないですね」

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STYLE SAMPLE

ベージュの"ルナグランド タッセル"に9分丈のチノ、トップスには慣れ親しんだスウェットを合わせたシンプルでカジュアルなスタイル。ルナグランドの存在感を活かしつつ素材感やシルエットで遊ぶ。簡単そうで難しい、経験が物を言う絶妙なバランス感覚は是非とも見習いたいところですね。

シューズ:ルナグランド タッセル ¥38,000+TAX
その他本人私物

コール ハーン ジャパン
電話:0120-56-0979
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